このページでは、モンテッソーリ教育で言われている敏感期のうちの一つ「秩序の敏感期」についてわかりやすく解説いたします。
秩序の敏感期とは?
大人でも、「駅まではいつも同じ道順がいい」とか、「意識してないけど、身体を洗うときはいつも首、お腹、腕の順番だ」とか、「靴は決まった場所に置いておかないとなんか落ち着かない」とか、こだわりのようなものがある方は多いのではないでしょうか?
そういった、「いつもと同じがいい」などのこだわりのようなものが強く出る時期が子どもにはあります。
それが秩序の敏感期です。
いつもと同じ道順で保育園まで行きたい
いつもはお風呂→歯磨きなのに、今日は歯磨き→お風呂で、なんかイヤ
お父さんの席に、お母さんが座っているのが嫌
毎日お気に入りの赤い服が着たい
オムツ替えはいつも同じ場所でしてほしい
車に乗ったらいつもはスーパーに行くのに、今日は駅についた!違う!いやだ!
なんで子どもは秩序にこだわるの?
子どもは、この世界についてまだあまりよくわかっていません。
ルールもわからないような世界で生きていくのはとっても不安ですよね。
そんな中でよりどころになるのが、「秩序」=「いつも同じで変わらない安心できるもの」なんです。
なので、いつもと違うと不安になってしまって、泣いてしまったり、不機嫌になってしまったりします。
そんなとき、大人が子どもが秩序の敏感期にいることを知っていれば、「あ、いつもと違うから不安なんだね。じゃあ、いつもと同じにしようね」と関わることができます。
子どものわがままだから今のうちに矯正しなきゃなんて思わなくていいんです。
秩序を守ることでどんないいことが?
落ち着きを手に入れる
さきほど言ったとおり、秩序を守ることで子どもは安心することができます。
その安心感は、子どもの落ち着いた心を作っていくことになり、なんかよくわからないけど不機嫌だったり、すぐに怒って泣いたり、そういったことが減っていきます。
子どもは安心できる
落ち着きを手に入れ、落ち着いて生活できる
逆に秩序がない環境だと、何がどこにあるのかわからなかったり、何がこれから起こるのかわからなかったり、心が不安定な状態が続いていてしまいます。
そうすると、なかなか落ち着いて生活をすることができません。
論理的思考を手に入れる
「いつも同じ」という外的な秩序があると、子どもは自分の中に内的な秩序を作っていくことができます。
それは整理された思考であったり、順序だった思考であったり、論理的な思考につながっていきます。
論理的な思考は、数の理解や、言語の理解も助けてくれます。
まとめ
この前、子どもが不機嫌だったのはもしかして秩序が原因だったのかなあ
秩序の敏感期は、年齢的にもイヤイヤ期とかぶるので、イヤイヤなのかな?と思われて、しょうがないと諦めてしまうこともあると思いますが、意外にただ「いつもと同じがいい!」っていうだけのこともあります。
もちろん、どうしようもないときもあると思います。
たとえば、いつも同じ服を着たがるとか、車に乗ったらいつもはスーパーなのに今日は違うところでイヤだとか、引っ越しなんかも大きく秩序が変わってしまいます。
そんなときも秩序のことを知っていれば、少し心穏やかにお子さんに関われるのではないでしょうか。
子どもが何か不機嫌だなとか、何かよくわからないけど泣いているというときは、ぜひ「秩序」のことを思い出してみてください。
秩序を守ることで、子どもは安心し、落ち着いた心を手に入れることができる。
そして、外的な秩序は内的な秩序を作り、論理的な思考につながっていく。