当サイトでは、国際資格を持つモンテッソーリアンまりこが、モンテッソーリ教育についてできるだけわかりやすい言葉を使って解説しています。
モンテッソーリ教育で使われる4つのモビールをご紹介します。
そもそも必要?というところから、使う時期、使う順番や、モビールを使うことでどんないいことがあるのかを説明します。
そもそもモビールって必要?
ただのかわいらしい飾りって感じであんまり意味を感じないんですが・・・
モビールがあることで、赤ちゃんの「見る力」を育てることができるんだよ
そもそも、生まれたばかりの赤ちゃんはまだピントをあわせるのが上手ではありません。
視界がつねにぼやけているような感じです。
それが何かを「見る」という経験を繰り返して、だんだんピントをあわせるのが上手になっていき、視界がはっきりしていきます。
見るものがあることで、赤ちゃんの「見る力」というのを育てることができるんです。
生まれたばかりの赤ちゃんはまだ体がうまく動かせないだけではなく、首も思い通りに動かすことができません。
そうなると大人が思っている以上に赤ちゃんの視界に入ってくるものは少ないです。
見えるものが白い天井だけでは、なかなか「見る力」が育っていきません。
でもモビールのいいところは「ゆっくり動く」っていうところなの!
みなさんも動くものが視界に入ってくると思わずそれを見てしまうのではないでしょうか?
赤ちゃんも同じです。
動かないものはなかなか興味をひきませんが、動いているものは「なんだろう?」と興味をひきます。
ゆっくり動くモビールは、赤ちゃんの興味をひくのにピッタリ。
「ゆっくり」というのもポイントで、赤ちゃんはまだ「目で追う」ということ(追視)がうまくないので、ゆっくり動くモビールを見ながら「目で追う」練習を積み重ねていきます。
モンテッソーリ教育には、どんなモビールがあるの?
ムナリモビール:生まれてすぐ〜
生まれたばかりの赤ちゃんが見やすいのは、白黒などはっきりしたコントラストのもの。
ムナリモビールは白と黒でデザインされているので、一番最初に使うモビールとしてオススメです。
また対称性のあるデザインと、ガラス玉に反射する光が、赤ちゃんの興味をひいてくれます。
ブルーノムナーリがデザインした美しいデザインは、赤ちゃんの芸術的な感性もやしなってくれるかもしれませんね。
八面体モビール:生後6週〜
ムナリモビールは平面でしたが、八面体モビールは立体になりました。
赤・青・黄色のキラキラした紙で作られた3原色でデザインされているので、色に興味が出てきてた子にオススメです。
カラフルなものをよく見ている姿が見られたら取り入れるといいかもしれません。
ゴッビモビール:生後2ヶ月〜
ムナリモビール、八面体モビールははっきりとした色合いでしたが、ゴッビモビールは同じ色の微妙な濃淡=グラデーションです。
そうやって微妙な色の違いを感じることができるようになっていきます。
またムナリモビールや八面体モビールは見る角度によって、形が変わりますが、ゴッビモビールは球体でできていてどこから見ても形が変わりません。
これはゴッビモビールが形ではなく、色の違いに集中できるようにデザインされたものだからです。
ダンサーモビール:生後2、3ヶ月〜
他のモビールにくらべて軽いのでよく動き、目で追うということの練習になります。
よく動くので、さらに首の動きを誘うことができます。
首を動かすようになると徐々に首が座っていきます。
いつからいつまで使えるの?使う順番は?
それで、段々見ることに慣れてきたら八面体モビール。
ゴッビモビールの微妙な色の違いに興味がいく子もいれば、ダンサーモビールの動きに興味がいく子もいると思います。
子どもの様子を見ながら取り入れられるといいですね。
手を伸ばすようになってきたら、今度は吊り輪やキッキングボールなど、見ながら体の動きを誘うようなものを取り入れたいですね。
モビールは片付けちゃってもいいですし、手の届かない高い位置に吊るしてもいいです。
4つそろえないとだめ?その他のモビールは?
全部そろえないとだめなの?
知り合いのモンテッソーリ教師はムナリモビール一つで乗り切ったって言ってたよ
モビールは必ず4つそろえなきゃいけないわけではなく、どれか一つでもOKです。
ただ複数あると、モビールを変えたときに、子どもが「あれ?なんだろう?」と思って興味を持ちやすいです。
モビールの目的は、「ピントを合わせる」ことと「目で追う」ことを練習して「見る力」を育てること。
それができれば、今回紹介したモンテッソーリ教育の4つのモビールでなくてもいいと思います。
ただ、電動式のメリーの多くは、赤ちゃんが目で追うのには動きが早すぎること、動きが規則的なので赤ちゃんが飽きやすいこと、そこは注意です。
用意するなら空気の流れでゆっくり不規則に動くようなものがいいですね。
あとはモビールじゃないですが、赤ちゃんの顔をのぞきこんで、お母さん、お父さんの顔を見せてあげるのもとってもいいですね。
人間の目は、白黒のはっきりしたコントラストで、赤ちゃんも見やすいんです。
愛情もたっぷりそそげるし、赤ちゃんも愛情をたっぷり感じれるので、一番いい方法かもしれません。
ただ、ずっと顔を見せ続けるのは疲れてしまうので、やはり何かしらのモビールを用意することをおすすめします。
見る力はすべての基本となる力
おれ赤ちゃんのときモンテッソーリのモビール見てなかったけど、目いいよ!
ただ漠然と見るのではなく、モビールなどをよく見ようとすることで、注意力・観察力というのが育っていきます。
注意力や観察力は、「ほら、よく見て!」と声をかけて育つようなものではないんですね。
また、赤ちゃんはこの後、首が座って、寝返りして、ずり這い、ハイハイ・・・というように成長していきます。
そんなとき体を動かしたいというモチベーションになるのは、「体を動かさないと届かないところに、なにか気になるものが見えている」ということ。
よく「見る」ができると、好奇心が刺激され、体の動きが出てくるのも早いことが多いです。
どうやって自宅でモンテッソーリ教育を取り入れるか知りたい?
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まとめ
ただの飾りじゃなくて、赤ちゃんの発達を手助けしてくれるグッズだったんだね。
モンテッソーリ教育で使うのはムナリモビール、八面体モビール、ゴッビモビール、ダンサーモビールの4種類
使う順番は、ムナリモビール→八面体モビール→ゴッビモビールまたはダンサーモビールが基本
生まれたその日から、手を伸ばして触ろうとするまで使える
「見る力」は注意力や観察力につながり、体の動きを誘う